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Presented by 堂堕自動車

Eunos Roadster
スロットルポジションセンサーの調整

 スロットルストップスクリューの調整を行った場合など、以下の症状が出るときは、スロットルポジションセンサーの調整が必要です。NBシリーズの場合、この調整は不要です。

  1. スロットル開度がごく小さい場合、エンジン回転がぎくしゃくする
  2. アイドリングが一定しない

 スロットルポジションセンサーは、アイドリング制御のトリガーとなっています(アイドリングスイッチ)。スロットル全閉時にスロットルポジションセンサーがスロットル全閉を検出しないとアイドリング制御に入らず、アイドリングが一定しません。逆に、スロットルをわずかに開いているのに、スロットル全閉と判断すると、アイドリング回転数まで引き下げようとするため、エンジン回転がぎくしゃくすることになります。スロットルポジションセンサーを正しく調整することで、こういった症状をなくすことができます。

 

調整方法

  • エンジン停止状態で調整します。
  • スロットルポジションセンサーのコネクタを外し、以下の端子の導通をチェックします。

写真はNA8です
  • スロットル全閉時に導通があり、ほんの少しでもスロットル開いたときに導通が切れるように調整します。整備解説書には、スロットルストップスクリューとスロットルリンケージのクリアランスが0.2m時に導通、0.4mm時に切断となっていますが、じゃんぼっとる装着車両の場合、もう少し早く(0.2mm程度)切断されるほうが、ドライバビリティが良くなります。つまり、スロットル全閉時に確実にアイドリングスイッチが入り、少しでもスロットルが開いた瞬間にアイドリングスイッチが切れることが望ましい状態です。
  • 調整は、スロットルポジションセンサーを固定している8mmボルト上下2本を緩め、手でセンサーを回します。センサー側から見て時計回り(向かって奥側)に回すとアイドリングスイッチが入り易くなり、反時計回り(手前側)に回すと、アイドリングスイッチが切れやすくなります。固定ボルトは、あまり緩めすぎると締め付けるときに調整がずれます。スロットルポジションセンサーを動かせる程度に、少しだけ緩めておくのがコツです。調整後は固定ボルト2本を確実に締め付けます。締め付けたときに調整がずれやすいので、締め付けた後、再度調整をチェックします。
  • 調整し終わったらコネクタを元に戻し、エンジンを掛けます。ラジエターファンが一度回るまで暖機します。
  • 暖機が終わったら、アイドリングが安定していることを確認します。回転数が落ち着かない場合、アイドリングスイッチが入ってません。もう一度調整をやり直します。
  • アイドリングが安定しているようなら、実走してみます。高いギアでごくわずかにアクセルを開いた状態でエンジンがスムーズに回ることを確認します。ここで、ハンチング(エンジンの回転が上がったり下がったりする状態)を起こすようなら、アイドリングスイッチの切れが遅いということになり再調整です。
  • NA8の場合は、暖機完了後ダイアグノーシスコネクタのTEN端子とGND端子を導線で短絡します(アイドリング制御の抑制)。導線はクリップ等でもかまいません。この状態でアイドリング時コンデンサファンとラジエターファンが回らないことを確認します。ファンが回転してしまう場合、アイドリングスイッチが入っていません。スロットルポジションセンサーを再調整します。ただし、正規の冷却プロセスによってもファンは回りますから、TEN-GND間の導通を何度かオンオフし、複数回確認します。エアコン装着車の場合は、コンデンサファン(向かって左側のやや小振りなファン)を確認します。短時間のアイドリングなら、正規冷却プロセスでコンデンサファンまで回ることはありません。
  • TEN-GND間を導通させファンが回らないようなら、スロットルをほんの少し開いてみます。このときファンが回り出せば、正常です。スロットルストップスクリューとスロットルリンケージのクリアランスを見ながらファンの動作を確認すれば確実です。
  • 調整が終了したら導線を撤去し、ダイアグノーシスコネクタのフタを閉めたら作業完了です。


ダイアグノーシスコネクタ 手前側のラッチを押して開くとコネクタが見えます。また、フタ裏側には、端子名が記載されています。