Presentedby堂堕自動車
最終更新日:2001.03.19

 

新型車開発秘話

 

 学生のころに、いろいろな話を聞きました、某社の新型車の開発秘話。いくつかの噂話を紹介いてまいります。

最高級車Pの噂話

 昔々、N社はフラッグシップカーでありVIP用車を開発していた時のこと。このPには、当時としてはまだ珍しかったエアコンを標準装備にしようとしていました。標準装備にするべくとするべくテストを重ね、市販しました。

 夏の暑い日、一台の車がディーラーにエアコンが効かないと入庫したそうです。ディーラーでは原因がわからず、当時の開発担当を呼び出し見てもらいました。最高級車のため値段が高く、市場には何台も走っておらず、余計に調査にてこずったと思います。

 そして散々調べた挙句・・・なんと、車室内のクーリングユニットが、あまりのエアコンの容量の大きさに凍りつき、今で言う冷風機になってしまったそうです。お客さんには「エアコンは、全開で使わないでください」・・・いい時代だったのね(笑)。

 

マイクロバスC

 マイクロバスは、結構昔からあったのですが、高速道路ができたときのお話です。それまでは、高速走行など、マイクロバスには無縁の話だったのですが、東名高速(だったかな?)開通でマイクロバスも100キロオーバーのスピードで走る機会も増えました。そんな時、C車が高速走行時横転! とんでもない事例が報告されます。会社としても原因究明に乗りだしました。実走試験をくりかえし原因を特定!

 なんと、プロペラシャフトが長すぎるため、速度が上がるとプロペラシャフトがばたつき、ある速度域で、プロペラシャフトの回転といっしょに車体がコロッと回転、横転してしまうのだそうです。ウォン、ウォン、ゴロゴロ、ガッシャンってな感じかな?

 対策は簡単、プロペラシャフトを二分割したそうです。

 

低公害エンジンの場合

 オイルショック、排気ガス規制といった時代、自動車会社にとってはつらい時代でした。この時に彗星のごとく登場したのは、Z型2プラグエンジンを搭載した車。EGRで燃焼温度を下げNOxを低減、燃えにくくなった混合気を2本のプラグで効率よく燃やす! すばらしい!!通産省なんたら賞受賞、なんたらどうたら賞受賞・・・

 でもね・・・1本でもいいんだよね。次のエンジンを開発するときには、すでに開発陣は、全員わかっていました。が、賞をもらってしまっていたので、やめるにやめられず、作ってしまいました2プラグCA型。4000回転以上は、プラグ1本で点火するOHCエンジン。

 もちろんツインカムは1プラグでした。

 両方とも整備性も悪くて、いやなエンジンだった。

 

おまけ!

中近東のある国では、オーバーヒートが多発する。原因究明に乗り出した、現地駐在サービスマンは見た。砂で、どろどろになったラジエターを・・・

駐在員「何でこんなんなるの?」
現地サービスマン「砂です」
駐在員「だからなんで、砂が入る?」
現地「・・・」
駐在員「ひょとして・・・?!おまえら、ラジエターキャップしてないだろ!!!」
現地「はい!」
駐在員「なんで、はずすんだ?」
現地「熱いからです。」
駐在員「・・・あついからするんだろ〜」
現地「蓋したら早く沸騰してオーバーヒートするじゃないですか!」
駐在員「・・・おまえら・・・なべと間違ってない?」
現地「なべのお湯は、蓋すると早く沸くじゃないですか!!!」

 ラジエターキャップの原理を教えて理解させるのに膨大な時間をつぎ込んだそうです。

 日本人に教えるときは、「高い山に登ると、お湯が早く沸くだろう!」でだいたい理解してもらえるけど、高い山のないところの人に教えるのは、大変だわな(笑)。

 

ご意見、ご感想はこちらまでishii@do-da.co.jp